第64回サンデー鑑賞会終了(御礼)


第64回 サ ン デ ― 鑑 賞 会

                          日 時  2017.12.8(日)13:30~15:30
                          場 所  ジャズ・カフェ・モーニン(秋田市手形山崎町9―8)
                          TEL  080-2808-6881
    
 1.「ライブ・アト・ザ・ヴィレッジ・ヴァンガード(Vol.2)」
 2.「スタンダード~アイ・ラブ・ユー・マッチ・トゥ・マッチ」

                         
 ジャズ・カフェ・モーニン主催の標記鑑賞会には多数(12名)お出で戴き、又、鑑賞会終了後はマスターの御好意により、御一同様揃っての記念撮影を行うことができ誠に有難うございました。

1.「ライブ・アト・ザ・ヴィレッジ・ヴァンガード(Vol.2)」はサド&メル双頭バンド(オーケストラ)を除けば、B.エヴァンス、S.ロリンズ.M.デビス.J.コルトレーンなど、何れも皆さんお馴染みの曲ばかり。些か新鮮味に欠ける嫌いはあったかと思いますが、それはさておくとして、矢張り古典的名演といわれるだけあり、いつ聴いても良いものは良いと改めて実感した次第。
  特にジャズ・カフェ「モーニン」の指定席にいそいそ陣取ると、熱気溢れる古典的ライブレコーディングに酔い知れながら、和気藹々、侃々諤々あだのこだのと角泡を飛ばすかと思えば、眼を閉じ深く頭を垂れながらバラードの逸品に暫し身を委ねる・・・何れにしても気心知れた御常連を中心とする愛好家諸兄が一同に会し聴くと尚良し!
 尚、S.ロリンズは当初予定していた「ソニームーン・フォア・トウ」と「ナイト・イン・チュニジア」を「オールド・デビル・ムーン」と「「ソフトリー・アズ・イン・ア・モーニングサンライズ」に替えさせて戴きました。

2.「スタンダード~アイ・ラブ・ユー・マッチ・トゥ・マッチ」は、5年ほど前、僕が?発掘?した超お気に入りの一曲。しかし・・・何が何処でどう血迷ったのやら、所謂、モダン・ジャズ(インスト)としてのレコーディングは僕が知る限り只の1曲のみ。ドラマチックな程、忌み嫌われてきたと思しき薄幸のスタンダードと云って良かろう。然るにレコーディングのほぼ凡てがヴォーカルによって占められる目も当てられない村八分てか村九分?状態。 
 ところで、同曲がモダンジャズ・フォーマットとしてレコーディングされた唯一の演奏がプログラム末尾16曲目「ブラインド・フォールド・テスト」を飾るLP「ザ・ネイチャー・オブ・シングス/レニー・ハンブロ・クインテット(エピックLN3361)」。
 レニー・ハンブロのアルト・サックスが美しい原曲のメロデイを絶妙にフェイクしながら密やかに咽び泣くスロー・バラード・・・五臓六腑に沁み渡る頗る付きの名演!だが、敢えて注文を付けるとすれば、全体として、やや淡白(単調)な嫌いあり。もう一摘み程度の迸る情念らしきを絡ませたアドリブを1コーラス、更にはギターかピアノ・ソロも鏤(ちりば)めることができれば云うことなし!完全に完璧!?
 僕個人としては、やっぱこの手のバラードは全盛期のJ.マクリーンに委ねたいと言うのが偽らざる無いものねだり。


(ブラインド・フォールド・テスト:ジャケ目隠しテスト)
11.LP「????????/???????」(ブラインド・ホールド・テスト)
images (2)
16 ????・????・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・4:02






(ブラインド・フォールド・テスト:ジャケ目隠しテスト回答)
11.「ザ・ネイチュアー・オブ・シングス/ザ・レニー・ハンブロ・クインテット」
ダウンロード

(エピック LN3361→CBS:LSP15821)NYC‘56.3&12
16 アイ・ラブ・ユー・マッチ・トウ・マッチ(B-5)・・・・・・・・4:02
(As)L.ハンブロー、(P)E.コスター、(G)S.サルヴァドア、
(B)クライド・ロンバーディ、(D)ハロルド・グラノスキー

 http://www.youtube.com/watch?v=AiPm3Wy6OAE 
 

 因みに純ジャズの範疇ではないが掘り出しもののインスト一曲(動画)あり・・・これがレコーディングであるのか否かは別として、何れにしても滴る灼熱の愛染を、儚い恋の盲目を切り取った赤裸々な画像群から垣間見える哀切らしきがどうにもやりきれない・・・それらが万華鏡の如く順次写り出される中、カルロス・サンタナがラテン調で歌い上げる渾身のグイター。切々が切々と我がもの顔で76歳のジャズクレー爺を攻め立てる・・・
 期せず繰り広げられる狂おしいばかりの官能恋愛短編小説もどき世界・・・線香花火が創り出す儚いお開きの一滴を思わせる憐憫(れんびん)が、はらはら、ぷるぷると、全身全霊の輝きを以ってのたうつ恍惚の4分:42秒。(視聴回数 1,479,033 回。コメント266件)
http://www.youtube.com/watch?v=gkDXNLAKTMY
 
 
 何時の世にも、ちやほや安穏ぬくぬく胡坐をかく輝ける数多の「スタンダード」の中にあって、遥か遠けき忘却の彼方へ放逐されたかの如き無慈悲な処遇を受けながら愚痴一つ零さず、これ程迄にしなり強く己を主張し続ける「アイ・ラブ・ユー・マッチ・トゥ・マッチ」の何と健気なことよ。
 
 前出の通りモダンジャズ界ではゴミ乃至チリ扱い。ヴォーカルではそれなりのレコーディングが残されているとは云え、いわゆる並みのスタンダードとは程遠い格付けの中、青息吐息虫の息。これが証しとして「アイ・ラブ・ユー・マッチ・トゥ・マッチ」は「決定盤!ジャズ・スタンダー1001(H2.4.30:スイング・ジャーナル社)」にも、更には、あの誉れ高い「ジャズ詩大全(中央アート社全24巻)にも、「スタンダード・ジャズのすべて・ベスト401(全音楽譜出版社:2巻)に於いても、これ見よがしに黙殺。実に無念!
 繰り返しになるが特別誂えの偏見と独断が支配する理不尽な闇の中でスタンダードの末席の、そのまた末席を汚すことに綿々甘んじてきた、「アイ・ラブ・ユー・マッチ・トゥ・マッチ」が携える、この無垢な諦めの悪さときたらどうだろう。正に表彰もの。
 思うに、ミュージシャン(モダン・ジャズ)からすれば斯くも甘ったるい古色蒼然ぐうたらなナンバーなど、きっと反吐がでるのかも・・・

 追記:「ポピュラー・ソングのすべて(全音楽譜出版社)」に「アイ・ラブ・ユー・マッチ・トゥ・マッチ」の譜と歌詞(英語)が載ってた!
 
 しかし、ジャズ・クレー爺の僕としては、爺が産声をあげる前年、即ち、1940年に同曲が誕生して以来、77年もの長きにわたり極上の冷や飯を食わされてきた不幸な生い立ちがどうにも、やるせなく不憫でならない。だからその分、想い入れは、半端じゃない。てか、富士山宜しく神々しく聳え立つ変態もどき領域を鋭意邁進中。
 「♥アイ・ラブ・ユー・マッチ・トゥ・マッチ命(いのち)!」・・・これこそが変態もどきを標榜する所以なのである・・・ザックリ言って。
 只、ひたすら、メロメロちゃんのメロメロちゃん?常軌逸した執着?偏執?・・・これ程までに純朴且つおどろおどろしいまでの本性(ほんしょう)は、全体何処からやってきたのか・・・と自問自答するに、うっすっら苔の生えた己の陳腐な感性が故の恥知らずな産物であると断定!
 
 それにしても衝撃的だった・・・「アイ・ラブ・ユー・マッチ・トゥ・マッチ」との初めての出逢い・・・2012年5月、アメリカからのエアメル便を首を長くして待っていた僕。オークションで落札した25枚の内の1枚が問題のLP「モーガナ・キング/レット・ミー・ラブ・ユー」(ユナイテッド・アーテスト UAL30020:モノラル.深溝.並み盤・・・¥3440)」。それにしても、あな嬉しやである。このレコードに我が愛しの「アイ・ラブ・ユー・マッチ・トゥ・マッチ」がちゃっかり?収録されていたのだよ~ん。
 因みに、このオークションを以って、うん十年来、手を染めて来たオークションなる甘美な泥沼から泣く泣く撤退することに・・・何しろ、しがない年金生活者の身分からすれば当然の帰結。財政破綻を回避するための止む得ぬ措置だったのだが・・・何はともあれ?よくぞ、ここまで後先も考えず、なけなしの金を叩き、散財に明け暮れたものよ、のう・・・ジャズ・クレー爺。
 
 さて、元より彼女の名前は知っている。レコードもたったの2枚だけど所有はしている。だが、既述レコードについては存在さえ預かり知らぬこと。嗚呼、それなのに当たるも八卦、当らぬも八卦宜しく単なる興味本位で漫然と札を入れ、偶然手にしただけの、所謂、コレクターが往々にして嵌りがちな惰性の一枚。ところが、段ボール箱を開けてびっくり仰天!全体、これは何だ!?何がどうなっているのか!一見、判別に窮するグロテスクでアブストラクトな熟成と爛熟が縺れ合う鼻下長爺にんまりのエロ・ジャケットがひょっこり!案の定、突如として眼底から大量の出血が・・・何のことは無い、目が釘付けになったまでのこと。あたふたとどぎまぎが合体。血圧と鼓動のコントロールがちょこっと厄介。けど、随喜の涙が                                                       横溢する選り抜きの逸品。

http://www.youtube.com/watch?v=eDKyELeLPrc                         

 
 取り敢えず、A面1曲目に針を落とす。内容的には中(ちゅう)の中程度の仕上がり。尤もジャケットも中、中、の真っさい中?
 ところが3曲目に差し掛かかると事態が一変。熟達のコンボが送り出す小気味良いテンポを受けて、颯爽と躍り出た何処か謎めいて麗しいユダヤ系の歌姫。異国情緒を微かに引きずるイントネーションが何ともはや・・・刹那的な、ぞっこんに陥る腑抜けなジャズ・クレー爺!
 結果、今より速く爺の鼓膜と前頭葉は、そして血流と鼓動は、好き放題チョシコメグラコにされたのでした!チョシコメグラコ?・・・昨今では完璧な死語。けど、知る人ぞ知る!?当地が誇る世界遺産(文化)級にも値する、例えるなば、アマゾン秘境先住民族の言語に勝るとも劣らぬ難解無比にして個性乱舞する方言の最右翼。かつてジャズ爺が鼻垂れ小僧だった頃、時折り耳もとを闊歩していたと思しき、これが方言の何たる斬新で懐かしく愛しいことよ!
 何のことは無い、俗に言う「サキコロ」(S.ロリンズのサキソフォン・コロッサスの略称)ならぬ「イチコロ」という、喜ぶべき憂き目?に遭遇。
 即ち、彼女に対してというか、この曲に対してというか、兎に角、僕は年甲斐も無く一発で覚醒!そして洗脳されたのでした! 
 
 このようにして「アイ・ラブ・ユー・マッチ・トゥ・マッチ」の存在を初めて知ったのだが、当初は、たまたまの気まぐれという安易な思考に絆(ほだ)されるままオークションで手にした、云わば偶然の一枚とばかり思っていたのだが・・・今にして思えば然に非ず、偶然を押しのけ必然と宿命とが、しかと手に手を取り合いながら、アメリカはコネチカット州とやらから、はるばる僕んち迄やってきてくれた、これが「巡り逢いの大神秘!」・・・サンキュー・ベリベリマッチ!
 
 改めて白状するが、誰のヴォーカルであろうと、インストであろうと、何とも形容し難い、問答無用のこれが哀愁や哀切の類に対しては、幾ら歳を重ねても免疫力ゼロ。てか、馬齢を重ねる毎に免疫力低下の傾向顕著。即ち、電光石火、ことごとく無抵抗の内、桃源郷の奥底深くで身悶えることに・・・繰り返すようだが、体内に隈なく張り廻らされた、それでなくとも鋭敏極まる、か細い琴線群を一言の断りもなく鷲掴みにすると容赦なく掻き毟る冷徹無比なこれが一曲に改めて乾杯!
 因みに、曲名「アイ・ラブ・ユー・マッチ・トゥ・マッチ」の和訳は「私はあなたが好きで好きで好きでなもかもなねっす」・・・不肖、ジャズ・クレー爺訳。


 閑話休題てか蛇足! 昨今におけるジャズ・クレー爺、就寝時ご寵(てか、聴?)愛のバックグラウンド・ミュージックは、プログラム8曲目のLP「ミス・ヘレン・フォレスト/ヴォイス・オブ・ザ・ネーム・バンズ」収録の「アイ・ラブ・ユー・マッチ・トゥ・マッチ」。5分足らずで Z Z Z Z・・・
 つい、先頃まではジョニ・ジェームズのそれだったのだが・・・

 6.「ミス・ヘレン・フォレスト/ヴォイス・オブ・ザ・ネーム・バンズ」

(キャピトル T706)Los‘56.
 アイ・ラブ・ユー・マッチ・トウ・マッチ(A-5)・・・・・・・・・・2:32
(V0)H.フォレスト
(Orch)B.メイ

http://www.youtube.com/watch?v=vYBGmfB2J0E


 「アイ・ラブ・ユー・マッチ・トゥ・マッチ」に関わる調査結果」

1940年 (作詞)ドン・レイエ、(作曲)アレキサンダー・オルザネッキー&チャイム・タウバーによる作品。
「主なるレコーディング(今回の鑑賞会プログラム収録曲を除く)」
① ボブ・ズークと彼のデルタ・リズム・バンド(最初のレコーディング:1940.1.18)
② ジーン・クーパー&ヒズ・オーケストラ(1940)
③ デイーン・マーチン
④ コニー・フランシス(1960.9)
⑤ パット・ブーン&ゴードン・ジェンキンス(1964)
⑥ カルロス・サンタナ
⑦ その他・・・

http://www.youtube.com/watch?v=jZrqGAsJ100

http://www.youtube.com/watch?v=WEO3de4_tBY


ダウンロード                         
レニー・ハンブロー
‘23.10.16― ’95.9.26 (NYC-NJ)
米国のジャズ(Sax)演奏家。
ジーン・クルーバ、ビリー・バタフィールド等の楽団を経て、レイ・マッキンレイ楽団、マチート楽団に入団。‘54年自己のクインテットをレコーディングのために結成。
’57年、‘58年ニュー・グレン・ミラー・オーケストラ欧州楽旅に参加。‘64年、’65年同楽団の日本講演にも参加。
代表作「ザ・ネイチャー・オブ・シングス(LN3361)上記画像左)」
「ザ・レニー・ハンブロ・クインテット/メッセージ・フローム・ハンブロ(CL757)上記画像右)」


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No title

本日はお疲れ様でした。
マイルストーンですが、CBSの六スターの録音素晴らしいですね。
さすがメジャーだと思いました。
またよろしくお願いします。

No title

 それは宜しかったですね!「マイルストーンズ」の次に収録の「ビリーボーイ」(ピアノ・トリオ)も中々宜しいかと思います。
 こちらこそ、また、宜しくお願い致します。
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ジャズマニアな訪問者
プロフィール

秋田ジャズレコードマニアクラブ

Author:秋田ジャズレコードマニアクラブ
はじめまして!僕は秋田市在住のジャズ・キチ老人です!
高校3年の頃、1年後輩のちょっとなベニー・グッドマン・オタクに幻惑され、ジャズに興味を持ち始めました。
以来、ベニー・グッドマンのメモリーズ・オブ・ユーを皮切りに、いわゆるスイング・ジャズ(コンボ、オーケストラ)、ニューオリンズ・ジャズ(ブラス・バンド素敵!)、デキシー(シカゴ・スタイル、サンフランシスコ・スタイル、ニューヨーク・スタイルなど)、バップ、クール、ハード・バップ、新主流派(懐かしい響きね!)、ヴォーカルなどなど手当たり次第、様々なジャンルのジャズ及び周辺音楽に耳を染めてきましたが、ジャズって思いのほか間口が広く、奥が深いので一切飽きることがありません。
結果、何時しかジャズが手ぐすね引く甘美な泥沼にガバチョと嵌ってからに、ふと気が付けば下唇下3センチの危険水位まで迫る悦楽という名の波しぶきを受けて、あっぷあっぷ・・・嗚呼もう駄目ません。
変なプロフィールになってしまい誠に遺憾です!

Billie Holiday
When You're Smiling

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